日本場面緘黙研究会倫理綱領
2025年2月15日 制定
【趣旨】
日本場面緘黙研究会は、場面緘黙のある当事者への適切な支援を推進するために、場面緘黙の研究、理解啓発に関する社会活動、場面緘黙のある当事者及び支援者相互の連携を行うことを目的として設立された。本倫理綱領は、会員の活動や会運営にあたって依拠すべき基本原則と理念を定めたものである。
全ての会員は、場面緘黙のある当事者とその家族が安心してよりよい生活を営むことができるように、教育・福祉・医療・社会生活において必要な支援を受ける権利を有することを念頭に置く。そして支援者と支援を受ける者は相互理解に努め、尊敬と信頼をもって対応することを目指す必要がある。
第1条 〔人権の尊重〕
会員は、日本国憲法にもとづく人権の尊重として、生命、自由、幸福追及に関する自己および他者の権利を尊重する行動に努める。
第2条 〔公正と信頼の確保〕
会員は、研究や社会活動、支援や連携、会の活動全般において、公正を維持し、社会の信頼を損なわないよう法令順守に努める。
第3条 〔差別の禁止〕
会員は、年齢、性、出自、障害などの個人の特性や背景に関する差別的な取り扱いを行わない。
第4条 〔ハラスメントの禁止〕
会員は、ハラスメントにあたるいかなる行為も行わない。また、ハラスメント場面に遭遇した際には被害を最小限にする対応をとる。
第5条 〔プライバシーの保護〕
会員は、研究や社会活動、支援や連携、会の活動全般において、プライバシーの保護に最大限留意する。
第6条 〔研究活動や社会活動における倫理〕
会員は、研究活動や社会活動を行う際は公益性と社会的責任を自覚し、社会的還元に留意しなければならない。また、研究に関しては各分野の研究倫理指針を遵守しなければならない。
第7条 〔相互理解と相互意見表明の場の確保〕
会員は、開かれた態度を保持し、相互理解の場の確保に努める。特に、当事者および家族に対する支援の提供や相互支援の場において、信頼関係の確立のために説明と同意を尽くし、相互の意見表明の場を確保する。